講演会

「小川真一博士 講演会」
日 時 2015年3月2日(月)15:00~
会 場 大阪電気通信大学 寝屋川キャンパス エレ研新棟(W号館)2階会議室
寝屋川市初町18-8 電話 072-824-1131
(京阪電鉄 寝屋川市駅より 徒歩10分)
主 催 大阪電気通信大学エレクトロニクス基礎研究所

エレクトロニクス基礎研究所では、産業技術総合研究所の小川真一博士をお迎えして講演会を開催します。顕微鏡法は、さまざまな材料の解析・評価には欠かすことのできない直接観察手法として広く用いられています。近年、新しい顕微鏡として「ヘリウムイオン顕微鏡」に対する関心が高まっています。小川真一博士は、我が国では他の研究機関に先駆けてヘリウムイオン顕微鏡を導入し、各種材料表面の観察、評価、加工に関して活発な研究を展開されています。

講演では、ヘリウムイオン顕微鏡の原理から応用に至るまで、幅広くお話しいただきます。

卒研生・院生を含めて、多くの皆様の来聴を歓迎します。

ヘリウムイオン顕微鏡技術による評価と加工
小川 真一(産総研ナノエレクトロニクス研究部門)
人は感覚機能により周りの状況を把握、その後の行動が続く、この当たり前のことを人類 の歴史を通して絶え間なく繰り返してきた、人間の目や耳などで感知できる範囲の時代は、 それが全てあり、それ以上、もしくは、それ以下の領域を理解して次のアクションを決定す る必要はなかった。 ところが近年、人類が扱う範囲が急速に広がり、それに伴い、それを感知して制御する技 術が日進月歩のいきよいで広がっている。特に半導体産業の躍進はいうまでもなく、それは 半導体結晶の品質向上を抜きで語られることはない。今日、それは原子・分子レベルでの制 御となって、人類は大きな壁に 直面している。その大きな原因は、原子分子一個一個がど のように結晶のようなまとまった集合体になるのか、その過程をその場でしかも一個一個 の動きをみることが現在の技術では不可能な点による。多くの理論が存在するが、実際にみ なくては証明することはできず、また、その成長過程は多くの要素が関わりすぎて複雑・相 互的で、単純化されたモデルではその一旦を説明できるだけにとどまり、異種の原子分子が よりあつまり複雑な三次元構造をなす結晶の成長過程を説明することは難解の域を超え、 どこかで折り合いをつける(要するにあきらめる)のが当たり前のような風潮もある。 自 然界のことは自然にまかせ、とにかく使えることが重要、出来たもの重視で、その深みには いる手間を省きたがるのは人の常である。 しかし、それでは未来はあり得ない。科学者たるもの、目では見えず、手でも触れること はできないが、そこに確かに 存在して活動しているもの、その存在の気持ちにも似た性質 を探求する責務がある。先人達がそれを行ってきたからこそ、今の科学技術があるのであり、 彼らがそれを探求していた時代には、世の人からは何の役に立つのだと厳しい指摘の中を、 まるで真っ暗やみの中の一筋の光を信じて、前のめりに、しかし、一歩一歩進んできたのが、 今であると言っても過言ではない。 本講演では、結晶成長装置である分子線エピタキシィーと原子レベルで見ることができ る走査型トンネル顕微鏡を完全合併させ、分子線エピタキシィー成長中に走査型トンネル 顕微鏡観察できるSTMBE 装置を開発、化合物半導体GaAs を中心にナノ構造形成過程を 研究してきたこの20年間の成果について述べる。

【問い合わせ】

大阪電気通信大学工学部 越川孝範
tel: 072-824-1131(内線2582)
e-mail kosikawa@isc.osakac.ac.jp

または

大阪電気通信大学工学部 安江常夫
tel: 072-824-1131(内線2582)
e-mail yasue@isc.osakac.ac.jp